憐哀-レンアイ-




「栗城」


「何でしょう?」


「ファミレスに食べに行きましょ」


「ファミレス、ですか?」


「えぇ」


「ファミレスより行き付けのレストランの方が宜しいのではありませんか?」


「貴男と何時ものレストランに行ったら私の彼だと思われるでしょう?
変な噂がたつわ」


「承知いたしました

車をマンションの前に回してきます」


「えぇ」



栗城は先に部屋を出ていった

















私は肩掛けの小さいバックを掛け
部屋に鍵を掛けてエレベーターに乗り込んだ



一階でエレベーターを降りマンションから出た


出た所にあの黒いベンツが停まっていた


その中から栗城が出てきて後部座席の扉を開けた


私は車に乗り込んだ



「あんず様、そんな薄着で寒くありません?」



「大丈夫よ

このポンチョ暖かいから」



私はミラー越しに微笑んだ



「そうですか

寒くなりましたら言って下さいね」



「えぇ」