コンコンッ



「入りなさい」



扉の向こうから低い声が聞こえた



「失礼いたします」



私は扉を開けた


中には両親がソファに座っていた


後から入った栗城が扉を閉めた



「久し振りだな、あんず」


「ごきげんようお父様」



私は笑みを張りつけた



「まあ座って

あんず」



お母様が言った


私は両親の向かい側のソファに座った


栗城は扉の近くに立った






「向こうの大学はどうだ?」


「とても充実していて楽しいですわ」


「そうか

この1ヶ月、お疲れだったな」


「お言葉ありがとうございますわ」