私は黒いワンピースを着て
黒いタイツを履き
白いコートを着て
黒いパンプスを履き
携帯だけを持ってマンションを出た
街を歩いていると前から声が掛かった
「あんずさん!」
私は下に向けていた視線を上に向けた
そこには手を繋いでいる私服姿の、ひかると藤永君だった
…
「あんずさん何で転校したんですか!」
急にひかるは怒ってきた
「どうしたの急に」
「急なのは、あんずさんですよ
転校するならするって言って下さいよ
しかもクサリグループだなんて‥」
クサリグループ‥
「…挨拶が出来なくてごめんなさい」
「お別れ言いたかったのに‥」
「ごめんなさい」

