憐哀-レンアイ-




「ダレオマエ」



マークとは思えない程の低い声のカタコト語を言った



「(申し遅れました

私、あんずお嬢様の執事の栗城と申します
以後、お見知りおきを)」


「(何だ英語喋れるんじゃんか
しかも執事か)」


「(こんな所で話し込まれますと学校のご迷惑になりかねないので、どうぞ車にお乗り下さいませ

あんずお嬢様のマンションでお話してはどうでしょうか?)」


「(へぇ、良いよ
気が付かなくて申し訳ない)」


「(いえ
さあ、こちらへどうぞ)」



マークは車の方に歩きだした


私と良介は後ろから歩き出した