憐哀-レンアイ-




藤永君は私に気付いたみたいで声を掛けてきた



「よう」


「こんにちは

ひかるを待っているの?」



私は靴に履きかえながらそう言った



「あぁ」


「迎えに行ってあげれば?」


「目立つから嫌だって言うんだよ」


「そう

順調そうね
安心したわ」


「お前のお陰だよ」


「貴男達の想いよ」






「何かお前、嬉しそうだな」


「学校が終わったからよ」



私は笑んだ



「じゃあ私はこれで失礼するわ」


「あぁ、じゃあな」


「えぇ」



私は昇降口を出て又、急ぎ足で校門に向かった