「…貴男が、こんなに愛しいのに‥
私と貴男は、‥繋がらない運命なのよ…ッ」
「俺もあんずを愛している」
「‥わ、たし、が‥ッ金持ちの、家に産まれなければ!良かったのに…ッ」
「そうだな」
良介の声は何時もとなく優しかった
抱き締める強さも手も温もりも全てが優しかった
「…ッ良介と離れたくないのに!
こんなに愛しているのに‥!
宿命はとても残酷だわ!!」
私は泣き喚き、泣き続け、
これ以上泣けない程泣いた
こんなに泣いたのは初めてだった…
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