「静、家の住所は何?」



静は静かに住所を言った


それに向かって車は進んだ


車内の会話は無く静かだった





その沈黙を破るかのように私の携帯が鳴った


私は黒い携帯を出した


そこに表示されていたのはマークだった


私は通話ボタンを押さずに鞄に戻した





「出ないの?あんずちゃん」



静が不思議そうに言った



「えぇ」


「誰からですか?」



栗城が聞いてきた



「向こうの人よ
後から掛けなおすわ」


「そうですか」