あれだけ『死にたい』と思ったのにいつの間にか足は止まり、後ろを振り向いていた。

なんて自分は情けないんだろう。

あれだけ決心したのにたった少しの誰かの声でやめてしまうなんて。

「そんなところで死んだって何もならないわ。」

また声がした。

後ろをよく見ていたら近所の娘さんと同じ制服を着た少女が立っていた。

とても美形だった。

このとき、この少女が私の人生を180度変えるとは知ろうともなかった。

『ゆうれい』ということも。