10年後の約束

授業後、F棟へ行くと、哲也のほうが先に待っていた。

「あっ、待たせてごめんね・・・・」恵里が言った。

「話って?」

「うん、哲也君、本当は私、高校生の時、ある模試で、

哲也君と隣だったことがあるの・・・・

私が消しゴムを落として、代わりに試験官を呼んでくれた。

覚えてる?」恵里はドキドキしながら聞いた。


「あ~俺も知ってたよ。言わなかったけど・・・」



「えっそうなの?」恵里は嬉しかった。



「で、本題に入るんだけど・・・・・私は、その時から・・・・

哲也君が大好きです。loveになってもらえるようにがんばります。

私と付き合ってください。人生初めての告白です。」

恵里は頑張って手に汗を握りながら言った。



「・・・・・・・・」哲也は少し考えていた。