10年後の約束

【回想】


高3の夏の模試、恵里は、哲也と隣の席だった。

あまりにも自分のタイプなので、恵里はドキドキで、模試どころじゃなかった。

正直、全く集中できなかった。

哲也は恵里の「ストライク」まさにそんな感じ。


そんなテスト中、受験票の名前をこっそり見てしまい、

恵里は、それ以来忘れることはなかった。



そして、恵里が模試中に消しゴムを落としてしまい、

焦っていたとき、代わりに試験官を呼んでくれたのが、

哲也だった。その優しさにまた魅かれた。


ところが、模試が終わったら、

哲也はさっさと帰ってしまい、お礼も言えなかったのだ。


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