【回想】

恵里の母、横井久美子は、1年前、大親友である山田美恵が、

交通事故を起こし、入院したのをきっかけに、とある病院へ、毎日手伝いに行っていた。


というのは、美恵は母子家庭で、

周りに親族もいなく、洗濯したり、身の回りの世話をしてくれる人が誰もいなかったからだ。



久美子はそこで、恵里と同じ年齢の息子に頻繁に会うようになっていた。


それがなんと哲也だった。


苗字が違うのは、親権は父親にあったからだ。

それでも、美恵が哲也を育てていたのだ。




久美子は、哲也にも、お弁当にして、ご飯を作って食べさせたりしていた。

とてもかわいがっていた。