今…君のために出来る事 今…君のために生きる事

でも…もう、何を言っているのかさえ…わからない。それでも…SAEの表情で…それがなんとなくわかっていた…。
(死なないで!)
大粒の涙が…僕の頬にこぼれていた。泣きながら…そう言っているのが…わかる。…もう、時間は…残されていない。恐怖心は…不思議となかった…。いつの間にか…病室に、みんなが集まっていた…。みんなに看取られる…。それ以上に…SAEがいてくれる。それだけで…幸せだった…。僕はもう…伝えられる事は…全てSAEに伝えた…。ただ…思い残すことが…小さい事だけど…ひとつだけあった…。


「SAEちゃん…。」
亜紀さん達が戻って来ても…私はずっと太郎の側にいた。…私は太郎を抱きしめ…話し掛けていた。冷たくなっていく太郎の体…。私には…それしか出来なかった…。
「SAEちゃん…もう…太郎は…」
「…わかってるよ!…でも…」
今の私は…わがままを言う子供みたいだ。
「…お願い。SAEちゃん…。太郎の気持ち…思い出して…。」
亜紀さんに…そう言われ…思い出した…。太郎は…私にこんな思いをさせたくないから別れたのに…、それでも…私は戻ったのに…。太郎の…言う通りになっていた…。
「…はい…。」