「SAEちゃん!」
「亜紀さん…。」
病院から…連絡があったからかな…。亜紀さんが血相を変えて走ってきた…。
「…あいつが…」
私は…泣いていた。そして…そのまま、亜紀さんに抱き付いていた…。
「…わかってる。」
私の上から…何かがこぼれてた。…亜紀さんの涙…だ。
「初めまして…。」
私達を見て…深々と頭を下げる人達がいた。
「あっ…SAEちゃんに紹介するね。」
亜紀さんはそう言うと…二人を紹介した…。二人は、あいつと…亜紀さんの両親だった。
「…初めまして…。」
本当に…誰にも見られたくないくらいに…グズグズに崩れた顔だったけど…私は軽く挨拶をした…。…なんか、こんな形で逢うなんて…思ってもなかった。
両親が呼ばれるって…どんな事かわかってたけど…考えたくない。私達は…ただ…黙って部屋の前にいた…。
「…もう…SAEちゃんは帰りなさい…。」
「…えっ?」
そう…亜紀さんが静かに言ってきた。時間は…もう深夜近くになっていた。こんな時間に…ここに残っているのは…そういう人達だけかもしれない…。
「…でも…」
帰りたく…なかった。でも…ここにいるのは…あいつの家族。私は…もしかしたら邪魔なの…かな?
「…お願い…。」
