今…君のために出来る事 今…君のために生きる事

気付いた時、私はそいつを突き飛ばし…何でだろう?拒否していた。
「……!」
そいつは…何か言ってたけど、聞こえない。私は何が何だかわからず、部屋に戻り、自分の荷物を持って飛び出した。
「どうしたの!?SAE!?」
かろうじて…マユミのその声だけ聞こえてた。どうしたも何も私だってわからない。もしかしたら…あの時の私に…、前の私に戻るのが嫌なのかな…?どうなの?『SAE』? …今も前も変わってなんかない。そう思ってたのに…。きっと『あいつ』のせいだ!『あいつ』がきっかけになって…気付かせてくれたんだ…。外に飛び出した私の向かう先は…自然とあいつのバイト先に向かっていた…。


「もう…いいよ。いっそ楽になりたい…。」
時間は午後6時を過ぎていた。入院して…まだ1日目。たった1日目だけど、それが正直な感想だった。ベッドに寝たまま見る…僕の腕。そこには抗ガン剤だろうって点滴が、そして、時々襲ってくる痛み。副作用の吐き気…。支えてくれているみんなには悪いけど…どうでもよくなっている僕。本当に弱気な自分が…嫌なほどわかる…。
「太郎…。」
亜紀が側で僕を見ていた。その表情は…そんな事言うなって…言葉に出さず語っていた…。