そして、完璧に日焼け止めを塗りたくった俺たち。
男としては少々気持ち悪いのかもしれないけれど。
ようやくパラソルの日陰から出ると砂浜へ走った。
走る足の裏が燃えるように熱い。
「楓ー、あついっ!」
俺は、同じ場所で何度も足踏みした。
「そうだな、早く海に入ろうぜ。」
「うん!」
どうやら、俺が日焼け止めを塗ったことにより完全に機嫌は治り泳ぐ気満々の楓。
「あっ!あのっ!」
そんな俺らにかかった一つの声。
その声の持ち主を振り返った。
「新道さん。」
飛行機やバスの席を誘ってきてくれた彼女だった。



