「…窓、開けよっか。」

病室のおも苦しい空気を変えようと、あたしは窓にてをかけ、開けた。

お母さんはうつむいて、頭を抱え込んだまま黙ってる。



医者は今夜が峠だって言ってた…。
大丈夫だよ、お父さんは。



と、その時だった。

「…あ。」


一匹の蛍が窓から入ってきた。
そして、その蛍はベッドに横たわっているお父さんの近くを飛び回る。


「お母さん、蛍…。」


けど、お母さんは聞く耳を持たない。

仕方なく、もう一度蛍を見ると…お父さんの怪我をしてる部分に止まりながら、飛び回ってる。



すごい偶然なのかな、傷のところばかり止まるなんて。