「やっと捕まえた。」 ある日、一人で廊下を歩いていると、圭に腕を掴まれた。 ちゃんとキーホルダーを返して、もう一回別れを告げよう。 ポケットからキーホルダーを取り出して、圭の胸にどんと突き出した。 「これ、要らない。前にも言ったけど、圭のこと好きじゃない。」 「なんでだよ・・・最近まで普通だったじゃねえかよ?」 「もう無理だよ。」 「俺は好きだよ。お前と離れるの嫌だ。」 圭は私の両肩を揺する。まっすぐな圭の目が私に突き刺さる。