はぁ…はぁ…

保健室も…いない。


保健室のドアを閉めて走り出した。

「廊下は走るなよ~?」


途中で生徒指導の三谷の声が耳に入る。

「はーい!」

そう言って歩く。


けど先生が見えなくなってからまた走り出した。


階段を登っていって、一番上のドアを開けた。

「……いた!滝川君~!」

「しぃ!?どうしたんだ、急に。」

「あのね、聞いてほしいんだ。あたし、答えがでたの。」

「うん。」


返事したのを確認してから、一つ呼吸を置いてから、ゆっくり話し出す。


「あたしは…やっぱり滝川君と付き合うのは考えられないんだ。けどね、嫌いじゃないの。むしろ好き。友達として。だから―――…」

「ちょい、ストップ。」

「だから」の後を言おうとしたら、滝川君が口を挟んできた。

「え、何?」


「しぃの気持ちはわかったから、それ以上言わなくてもいいよ。」

「でも…」

「いいから。俺から言わせて。


……俺は諦めないから。絶対振り向かせるから…好きでいさせて。」

切なく笑った滝川君。


「なんか…滝川君じゃないみたい…」

「どういうことだ?」

「最初は俺様で我儘で怖いイメージだったのに…なんか今日は優しいね?」

「調子狂うよ(笑)」って付け加えたら、滝川君はフッと笑った。


あまりにも自然で、綺麗な笑顔に、不覚にもドキドキした。