【短】真紅のドレス

しかし、所詮紛いものでも、他にこの恋情をぶつける術が見つからなかったので、毎晩その人形を抱いてあげた。

可愛がり、時には髪を梳いてあげ、時にはエヴァがそこにいるかのように問いかけてみたりもした。

とにかく、ニコラスはその人形をエヴァだと思えるようになるのに必死だった。