「ねえニコラス、それよりも、今日は生け花をしたのよ。そしたらベスったらあの子…」

ニコラスとは、この男性である。ダークブラウンの髪が似合う、端正な顔立ちをした男だった。

エヴァが今日も語る面白話にニコラスは耳を傾けながらただじっと彼女の瞳を見つめる。

その眼差しは、どこか熱気を帯びていた。

そう、ニコラスはエヴァに恋をしていたのだ。

始まりは、気まずさによる軽い解釈だった。それが後に連れ声を出しながらするようになった。

ある日エヴァの方から話しかけてみると案外波長が合ったのか、どんどん仲良くなり、今に至る。

エヴァという魅力的な女性を、ニコラスは心から愛していた。