【短】真紅のドレス

毎日のように可愛がってやれば、いずれ行為にも慣れて、情が湧いてくる。

まるでエヴァ本人のように、ニコラスは人形を大事に扱った。

抱きあげ、頭を撫で、髪を梳き、語りかけ、可愛がった。

何百回と顔を見つめてれば、やがて気付いてしまう。

そう、人形が持つ、その異色の美しさに。

ニコラスは気付いてしまったのだ。その人形のシミ一つない美しい純白の素肌に。

加えて、そのエヴァの人形は自分がどんなに愚痴を話しても、変わらず笑顔で微笑んでくれるのだ。

一切文句を言わず、生身の人間のように突然怒り狂ったりしない。

ニコラスは、とっくにその人形に魅せられてしまったのだ。