誠くんと会うと誠くんは必ず
私たちを家の近くまで
送ってくれる。



「なんで?」って聞いたら
『危ないから』だって。




まだ真っ昼間なんだけどな…;;

なんて、どーでもいい事を
心の中でツッコんでいたら



『2人は携帯持った?』



という誠くんの声で我に返った。



『美優はもう持ったよ〜』


「唯はまだぁ〜;
 来週買いに行くっ♪」


『ならまた今度教えて!』



『美優のアドは
聞かないんだ〜(T_T)』

美優がいじけたフリをした。

『い、いや唯が買った時に
聞こうかなって…』


『ふ〜ん。』


『美優ごめん〜;;』

「あはははっ」


そんなやり取りをしていたら、
私たちの隣を自転車が
スーっと横切った。



『「ぁっ!!リョウちゃん!!」』


美優と私が同時に叫んだ。

リョウちゃんは
少し笑って走り去った。


リョウちゃんは高校入学で
知り合った子。
見た目はクールで
怖そうだけど、笑顔がかわいい。