リカさんと私は、
あまり人気のない
校舎の裏庭まできた。
裏庭のベンチに二人で
腰をかけてすぐに
リカさんが口を開いた。
『唯ちゃん…あれから
ずっと唯ちゃんに
謝りたかったの…。
ごめんなさい。』
リカさんの突然の
謝罪の言葉に私は驚いた。
リカさんは更に話を続ける。
『私がリョウを惑わす事を
しなかったら二人は上手く
付き合えてたのに…。
あの日からずっと後悔してて…』
リカさんは泣きそうな顔をしていて
私は怒れなかった。
それに怒るつもりもない。
怒る立場じゃなくなったんだ…。
「もう…いいんです。
それに、リカさんがいなくても
唯とリョウちゃんは終わってました。
だから、自分を責めないで下さい。」
偽善者っぽい言い方に
なってしまったけど、
これが私の本心だった。
でも、リカさんから
思ってもいない事が告げられた。
『…違うの。リョウはきっと
唯ちゃんの事が好きだった。』
────────え…?
