周りの皆もリョウちゃんが
引っ越す事情を私に
聞いてきたけど
「唯も昨日聞いたから。」
って言うとそれ以上誰も
聞いてこなかった。
そんなやりとりを
している内にリョウちゃんが
学校に来たみたいで
皆リョウちゃんの元に
駆け寄って行った。
リョウちゃんの口から
転校すると聞くと
皆は本当なんだと理解して
皆泣きながらリョウちゃんに
お別れの言葉を言っていた。
ケン君は笑いながら
『言うのおせーよ』なんて
リョウちゃんの肩を叩いてたけど
目から涙がこぼれていた。
リョウちゃんも笑いながら
『ごめん。てかいてーよ。』
って言ってたけど
目から涙を流してた。
私はリョウちゃんに
話し掛ける事はできなくて
泣くことさえできなくて、
皆がリョウちゃんにお別れを
言っているのを遠くで
見ているだけだった。
