『もういいよ。それだけで十分。』
リョウちゃんはそう言って
優しく笑って私の言葉を
遮った。
「最後まで言わせてっ
唯は…っ『唯…っ!!』」
“リョウちゃんが好きなのっ”
そう言おうとしたら
リョウちゃんの言葉で
被って言えなかった。
『唯…。
それ以上は言わなくていい。
俺にはその言葉をもらう
資格なんてない……。』
“そんなことない”
そう言いたいのに
リョウちゃんの顔をみたら
言えなくなった。
『唯を傷つけて、泣かせたのに
それでも唯と付き合う資格、
俺にはない…。』
「もうそれはいいって!!
いいって言ったっ!!」
『唯がよくても俺はよくない。
唯には俺なんかよりずっと
いい人がいるよ…。』
反論したいのに
嗚咽が出て上手く話ができない。
なんでそんな悲しい事言うの?
リョウちゃんは更に話を続けた。
