『母親さ…。
俺が小5ん時に男つくって
出てたんだ…。』
「……うん。」
初めて聞いた。
リョウちゃんの家の事…。
あまりに非現実すぎて
どう反応したらいいのか分からない。
『俺…それがずっと
トラウマで、人に…女に
本気になれなかった。
信頼してなかった…。』
「うん。」
リョウちゃんの悲しそうな声に
私はただ合図ちをうつ事しか
できなかった。
『人なんて…女なんてすぐ
裏切ってくんだって。
ならこっちから
裏切ってやるって思った。』
「うん…。」
『…裏切る相手は
誰でもよくて、唯が俺の事
好きみたいって聞いたから
丁度いいと思ったんだ。』
「……っ」
最低って言って殴ってやりたかった。
でもそんな悲しそうな顔されたら
何もできないよ…
リョウちゃんは話を続けた。
『でもできなかった。』
……え?
