私はただその場に
立つことしかできなくて
『できなくて』というか
その光景を見て私の中の
全ての思考回路が
止まってしまった。
私の中に甦るあの時の光景、
あの時のリョウちゃんの言葉…。
2人も私の存在に気づいたのか
2人の動きも止まる。
するとリョウちゃんが口を開く。
『そういう事だから。
何か文句あなら言えば?
殴るんなら殴ればいいし』
その時私はまだ美優は
あの手紙を渡してなかったんだ。
と言う事とやっぱり
私の聞いた話は
本当だったんだ、
夢じゃなかったんだ。
と言う事。
さっきだって
あんなひどい事
言われたのに
まだ私はリョウちゃんが
好きで、大好きで…
そしてすごく傷ついて
涙が溢れてきた…。
リョウちゃんとリカ先輩は
そんな私を見て
迷惑そうに歩いていく。
何も言い返せずに
その場に立ちすくんでいると
『おい!!』
と言う声が聞こえ、
私は顔を上げた。
声の方を振り返ったら──
