★慧side



「そうですか。

 それなら私が出ていきます」



そう言って、着物姿のまま

人貸し屋が屋敷から出た



俺は急いでその後を追いかけた



「・・・おい!人貸し屋!」



呼んでも振り返らない人貸し屋

俺は人貸し屋の肩を掴んで

無理やり振り向かせた



「・・・何でしょうか?」



「何でしょうかじゃねえよ。

 急にどうしたんだよ?」



「・・・先ほど言ったはずです。

 あの2人とはもう離れたいのです」



「・・・どこ行く気だよ?」



急に、人貸し屋が

こんなこと言うとは、思わない



何か、目的があるはずだ



そう思いながら

人貸し屋に聞く