裕ちゃんが図書当番の帰り道。



あたしも放課後は用事があり、空遥には先に帰って貰い、あたしは今、裕ちゃんと帰っている。



裕ちゃんが木葉先輩と楽しうそうに話していた事を思い出すとやっぱり胸が痛む。



そんなことを知らない裕ちゃんはあたしの隣で鼻歌を歌っている。




あたしは何も言えなくてただ、黙って裕ちゃんの隣を歩いているだけだった。



裕ちゃんは不思議そうにあたしを見て、



「お前、どうしたの?」


心配そうにあたしの顔を覗いた。