恋なんて苦しいだけ。
それが私、楠 亜弥の勝手な考えだった。
だからこそ恋はしない。
結婚する相手だけは考えればいい。
そんな考え。
もし恋をしたところで、私に彼氏なんかできるわけない。
この目つき故か、私は人の輪から遠ざけられる。
友達も数人だ。
勿論のこと彼氏も好きな人もいたことがない。
今日から南桜高校2年が始まる。
超朝型の私はいつもどおり爽やかな朝を迎える。
登校して間に合う時間より、20分の余裕をもって登校。
「早起きは三文の得」
なんて、死んだ祖父は言っていた気がする。
いや、私が人に感情を閉ざしたのも、早起きを始めたのも祖父が死んだのが切っ掛けだった。
