「という訳だよ。」
「そ、そう…。」
「余計わからなくなってないか?」
「そうですか?」



俺は千鶴の方を向く。
良平先輩のいうとおりピンとは来てないみたいだ。



「…俺はもう、千鶴を疑いたくないし、疑われたくない。じゃあもう結婚してしまえばそれがなくなるかなって…。」
「いや、なくならないだろ。」
「えぇ!?」



良平先輩があきれた声でため息を吐きながら言った。


「大体だな、お前は観点が違うだろ。そんな簡単に結婚するとか言われても、喜ぶ訳ないだろ。」
「俺はもう千鶴しかいないし、千鶴以外好きにならない。千鶴とは結婚したいと思ってますし。それに…」
「…総八。ごめん。千鶴もうキャリーオーバーしてるみたいだからその辺で。」
「え。」



千鶴の方を見ると、顔を真っ赤にして俺を睨んでいた。
…まぁ睨んでる顔も可愛いんだけど…。



「…まぁいいわ。お前の素直過ぎるぐらいの告白聞いたし…千鶴も気持ち分かったと思うし。あとは二人で話ししろ。」
「はい。ありがとうございました。」
「…ありがとう。良平兄さん…。」



千鶴の一言に、優しい笑顔を返す良平先輩。
家に帰って行った。




残ったのは千鶴と俺だけになった。