あれから何分経っただろうか。
あれからも、私は玄関で泣いていた。
…泣きすぎて頭が痛い。

もうそろ、龍夜が帰ってくるだろう。
帰ってきた時に泣き顔だったら、絶対心配する。

「よいっしょ…。」

私は立ち上がって…ふらっと目眩がした。

『…泣きすぎたかな…。』

今日は早く寝よう、と決断した時、ピンポーンとチャイムが鳴った。
総八だろうか、と身構えながら、のぞき穴を見る。
瞬間、胸がドキンと鳴った。

「り…里香…。」

冷や汗が流れるのを感じる。
またピンポーンと鳴った。

出ようか出ないか一瞬悩んだが、すぐに決心をする。

「出よう。そして…祝福してあげるんだ…。」

私はすぅ…はぁ…と深呼吸をして、玄関のドアノブを回した。