『なん…で私が…浮気…しなきゃいけないのよ…。そっちこそ…私と帰ってたくせに途中で居なくなるし…!私とじゃなくて…里香といるし…!何なのよ!何で私が悪いことになってるのよ!』

『総八の馬鹿!私のこと好きじゃないからそうやって信じてくれないんでしょ!もういい!総八なんか大嫌い!』

千鶴にそのように言われて自覚してしまった。

俺は信じる勇気を持っていなかったのだと。

千鶴だったら大丈夫だと思って、里香と創の為に千鶴を蔑ろにして動いていた。
千鶴ならわかってくれる。そう信じて。
でも実際は…

別れようって言われるんじゃないかって怖くて連絡出来なくて…
それに…

「浮気してなくて良かったなんて…彼氏が言う言葉じゃないよな…。」

実はまだ、千鶴の弟、龍夜くんとのことがトラウマだったりしているのだ。
千鶴に別の好きな人が出来る、そう思っただけで、体がいうことを聞かなくなる。
暴走する。
その結果が今日。

俺は、千鶴の家に居ても何も出来ないと感じ、その場から離れた。