玄関には驚いた顔をした総八とその人こと良平兄さんが立っていた。
良平兄さんとは私の5人兄弟の一番上の兄さんである。
ちなみに2つ上で元バスケ部。
だから、バスケ部の総八とは先輩後輩にあたるのだ。

「りょ、良平先輩が…何故…ここに…?」
「何故って…。」

私は総八の言葉に驚き、言葉が止まる。
良平兄さんがため息を吐いた。

「高倉…俺と千鶴の名字を思い出してみろ。」
「え…秋月千鶴…秋月良平…あ。」

総八はああー…と頭を抱えてしゃがみはじめた。

「お前…馬鹿だろ…。」

良平兄さんが容赦ない声でツッコミをいれた。



それから良平兄さんは、「俺、帰るわ。」と言っておうちに帰っていった。

ということで、うちにいるのは、私と総八の2人だけ…って

『超きまずい!!』

私は別に悪いことしてないのに、胸がドキドキしている。
総八が、顔を下げて表情が見えないのも原因の一つでもあるが。