「そそそそ総八!?」

後ろから抱きつかれたのがびっくりしたのか、とても驚いた声を出す千鶴。

「ピーンポーン♪大正解!会いたかった!千鶴!」

そしてさっきよりももっとぎゅっと抱きしめる。
気持ちが抑えられない。
しかし…

「こ、ここ学校だから!抱きつくの禁止!」
千鶴は顔を真っ赤にさせながら、そして少し睨みながらこちらを見て言う。

「え~…いいじゃんか~…。」

千鶴の言葉に渋々、体から離れる俺に胸をなで下ろす千鶴。
その様子に少し寂しくなり、

「千鶴は俺に会いたかった?」

なんて、聞いてしまった。

「ななななんでそそんなこと…。」

またまた顔を真っ赤にさせ、しどろもどろになる千鶴。
だって…

「ちーづる?俺聞きたいなぁ…?」
「うぅ…。」

俺は笑顔で千鶴に聞く。
この笑顔が、苦手なのは調べ済み!
千鶴は少し視線を下に下げ、俺とは目線を合わせない。
でも、
「…あ、…会い…たか…た。」

本当に小さい声で答えてくれる。
でも意地悪な俺。

「聞こえないなぁー千鶴ー?」

俺はニヤニヤ笑いながら千鶴に言う。

と千鶴はいきなり顔をあげ、視線を合わせた。そして

「あ、会いたかった…!」

上目遣いで俺を見上げてくる姿に俺も千鶴に負けないくらい真っ赤になるのがわかる。
『可愛すぎだろ…!』
なんて思いつつ、

「おおおう…。」

と、戸惑った声しか出せなかった。