「春陽ちゃんは?」 「そりゃぁ〜いますよ!彼氏ぐらい」 彼氏ぐらい?……ぐらい? 私には、『彼氏ぐらい』なんて言える相手はいない。 −−プルルッ♪−… 私の携帯が突然、鳴った。 着信は優からだった。 「優?どうしたの?」 「えっ?鍵?鍵ってなんの?」 「あったの?どこに…玄関の下駄箱の上……そっかぁ〜優ありがとうねっ」 そんな、ところにあったとは… なんで気付かなかったんだろう。