「あ、カバンそこに置いていいよ」
「あ……はい」
あたしの家に着き、あたしは男の子を家の中に入れた。
「カバンから荷物出しますね」
「うん。お願いします」
男の子はエナメルのカバンを開けて、中からあたしが買った野菜やらいろいろ取り出した。
「本当にありがとう。
助かっちゃった」
「いえ。俺の責任ですから」
「しっかりしてるんだね」
あたしがそう言うと……男の子の顔が少し曇った気がした。
「……そんなことないです」
ちょっと謙遜してるのかなと思ったけど……でも、違うみたいだった。
何かちょっと……別の何かを感じた。
「あ……そうだ。
これ、どうぞ」
「え……」
「友達からお土産でいっぱい貰ったの。
お礼にどうぞ」
「ありがとうございます。
何か……すみません。
俺のせいなのに、お菓子まで頂いちゃって……」
「気にしないで。
本当に助かったから。
先輩からのお礼だよ」
「先輩……?」
男の子は不思議そうに首を傾げた。

