青空バスケ―3rd―


「あー……これもう持てないですね……」

「うーん……」


一度穴が開いたビニールは更に穴が大きくなり……もう使い物にならない状態に。


「もう家近いから大丈夫だよ。
ありがとう」

「でも……」


男の子が申し訳なさそうな表情であたしを見た。


「……あ、じゃあお詫びに俺がこれ運びますよ!」

「え、でも……」


ありがたいけど、さすがに怪我をしてる子に持ってもらうわけには……

すると、男の子はあたしの気持ちが分かったのか、にっこりと微笑んだ。


「大丈夫です。
左腕は折れてるけど、右は平気なんで」


あ……やっぱり折れてるんだ……。


「でも、どうやって運ぼうかな……。
あ、俺のカバンの中に入れてってもいいですか?」

「え……本当にいいの?」

「はい。
元はと言えば俺の責任ですから」


な……なんていい子なんだろう……。

あたしはちょっと感激した。