……どうすっかな。 このまま家に帰っても空しくなるだけ。 なら、どこかに飲みにでも行こうか……。 ……でも、明日も仕事だしな。 いや、でも一杯だけなら……。 ……やっぱりやめよう。 何かヤケ酒みたいになりそうで嫌だ。 ……帰るか。 そう思って、家の方向に体の向きを変えた……その時だった。 「大和」 名前を呼ばれ、俺は振り返った。 「……蓮?」 蓮は仕事帰りらしく、スーツを着ていた。 「やっぱり大和だ。 あれだな、飲み会以来だな」 そう言って笑う蓮がなぜかすごく神様のように思えた。