「一生懸命なのは栞奈の良いところだと思うよ。
でも、それであんまり自分を追い詰めるなよ」
「アキ君……」
「でも、栞奈にそんなに大切に想って貰える園児は幸せ者だな」
「そうかな」
「そうだよ。
俺らだってそうだったからさ。
いつもマネージャーとして栞奈が見守ってくれてて。
あんまり口にしなかったけど、みんなすげぇ感謝してたと思うよ」
「……だったら、嬉しいな」
あたしがアキ君の方を見て笑うと、アキ君は優しく微笑んだ。
「やっぱり栞奈は笑顔が一番だな」
「アキ君は褒め上手だね」
「みんなそう思ってるって。
栞奈が支えてきた部員も……それに、今栞奈が見てる園児達も」
園児達……。
「……うん。
ありがとう、アキ君」
「お礼はビールでいいよ」
「飲みすぎはよくありません」
「よく言うよ。
お前の方がよく飲むクセに」
「そっ……そんなことは……」
「ははっ!
意外と酒豪だからな、栞奈は」
「もう、アキ君!」
でも……アキ君と話して少しすっきりした。
あたしはアキ君の笑顔につられるようにして笑った。

