「じゃあ、今からそっち行っていい?」
俺がそう聞くと、電話の向こうで栞奈がふふっと笑った。
《疲れてるんでしょ?
いいよ、あたしが行くよ》
「いや、でも……」
《いいから。
買い物終わったらすぐ行くね》
栞奈はいつでも俺の体を気にかけてくれる。
栞奈だって疲れてるはずなのに……。
「……なら、スーパーまで迎えに行くよ」
《え?本当に?》
「本当に。
今から行くわ」
《うん。買い物しながら待ってるね》
栞奈の嬉しそうな声が聞こえてくる。
電話を切って、すぐにスーパーの方へと向かった。
少しでも長く栞奈と一緒にいたくて。

