夕方。
俺は仕事を終えて学校を出た。
「あー……疲れた」
明日にはテストを返して……。
あ、そうだ……補習もやらなきゃな……。
追試に補習……。
「明日はびっしり授業入ってるんだよな……」
俺は小さくため息をついた。
風呂でゆっくりしてぇな……。
温泉のもとでも買って帰ろうかな……。
……そうだ。
俺はケータイを取り出してある番号を画面に出すと、そのまま通話ボタンを押した。
《もしもし》
聞こえてくる、いつもの声。
この声を聞くだけで安心して癒される。
「もしもし、栞奈?」
《大和。どうしたの?》
「今どこにいる?」
《今?
今は近所のスーパーだよ》
近所のスーパー……。
あそこか。

