「俺もよく一人で自主練してたんだよ。
近所のストバスで」

「先生がですか?」

「そ。
部活だけじゃ物足りなかったんだよな」


あの頃の俺は相当なバスケ馬鹿だったから。


「監督からその辺のこと聞いてない?」

「特には……。
あ、でも今の罰則はほとんど高瀬先生のためにできたようなものだって言ってました」


あぁ……抹茶豆腐ヨーグルトね。


「そうだな。
俺、自分でストップかけられなかったからさ。
当時の部長とマネージャーが考案したんだよ。
俺が無理しすぎないようにって」


栞奈と鳴瀬先輩の優しさによってできた恐怖の罰則。

それが卒業して六年経った今でも受け継がれている。


「先生は部員から大切にされてたんですね」

「お前もだろ」


……俺がそう言うと、飛田は急に笑顔をなくしてうつ向いた。