「……蓮」
俺が声をかけると、蓮はゆっくりこっちを向いた。
「……本当に大切なものなら、絶対手放すな。
心から欲しいって思ったんなら……全力で手に入れろ。
それで……お前が最後まで守り抜け。
……何があっても」
蓮には後悔してほしくない。
幸せになってほしい。
ずっと俺達を見守ってくれた……
一緒に夢を追いかけた……
大切な……大切な仲間だから。
「……大和、岬」
静かになったコートに……蓮の声だけが響く。
「悪いけど……俺、抜けるわ」
そう言うと、蓮は走り出し……フェンスの扉を開けてストリートバスケ場を出ると、まっすぐ彼女の方に向かって行った――

