ベンチに座りながら、白熱するバトルを見届ける。 大和も蓮ちゃんも先輩達もみんな……楽しそう。 みんなの顔を見て、自然と笑顔になっていくあたし。 やっぱり……好きだなぁ、こういうの。 コートで試合をしている人達の他にも、その周りで応援してる人達。 騒がしいみんなを見ながら、あたしが顔を綻ばせていた……その時だった。 「……栞奈ちゃん」 男だらけのこの中で聞こえた……女の子の声。 あたしが慌てて振り返ると…… 「梨子ちゃん……」 フェンスの向こう側に……梨子ちゃんが立っていた。