あたしと梨子さんは近くのファミレスに入った。
お互いにドリンクバーを注文して、黙ったまま座ること……五分。
「えっと……お話って何ですか?」
あたしが聞くと、ようやく梨子さんが口を開いた。
「すみません……お名前教えていただいてもいいですか?」
「え?
あ……そういえば言ってなかったっけ……。
岬栞奈っていいます」
「岬さん……」
「栞奈でいいですよ。
梨子さんは蓮ちゃんの同期……ですか?」
「はい。そうです」
「じゃあ、同い年だね。
敬語とかもう使わなくていいよ。
梨子ちゃん」
あたしがそう言うと、少し緊張気味だった梨子ちゃんの表情が和らいだ気がした。

