青空バスケ―3rd―


あたしと梨子さんは近くのファミレスに入った。

お互いにドリンクバーを注文して、黙ったまま座ること……五分。


「えっと……お話って何ですか?」


あたしが聞くと、ようやく梨子さんが口を開いた。


「すみません……お名前教えていただいてもいいですか?」

「え?
あ……そういえば言ってなかったっけ……。
岬栞奈っていいます」

「岬さん……」

「栞奈でいいですよ。
梨子さんは蓮ちゃんの同期……ですか?」

「はい。そうです」

「じゃあ、同い年だね。
敬語とかもう使わなくていいよ。
梨子ちゃん」


あたしがそう言うと、少し緊張気味だった梨子ちゃんの表情が和らいだ気がした。