俺はため息をつきながらリビングのドアを勢いよく開けた。
すると、中にいた三人が一斉に俺の方を見た。
「大和……」
蓮が少し驚いた目で俺を見た。
蛯原とかいう女はパンダみたいな真っ黒な目で俺を見てきた。
「あなたは……?」
「蓮の友達で、ここに住んでる者です」
「蓮の友達……。
じゃあ、そこの女との関係は……」
俺は栞奈の肩を抱き、自分の方に引き寄せた。
「俺の恋人ですが、何か?」
蛯原は驚いた表情で俺達を見つめた。
「じゃあ、本当に蓮とは……」
「だから、さっきから何回もそう言ってんだろ。
……マジでいい加減にしろよ」
落ち着け、という意味を込めて俺は軽くポン、と蓮の肩を叩いた。
蓮は蛯原を睨んでいたが、大人しく引き下がった。

