すると栞奈が俺に気がついて、助かったような安心した表情を見せた。
俺は手招きして栞奈をこっそりこっちに呼び寄せると、静かにリビングのドアを閉めた。
「とりあえず……誰?
あの二人……」
「あっちのメイクが濃い方が蛯原マユミさん。
蓮ちゃんが昨日話してた人」
あぁ……蓮に付きまとってた女か。
「で、もう一人は汐谷梨子さん。
蛯原さんの友達らしいよ」
「……それで?
何で蓮を殴った女がここにいるんだよ」
蓮、キレかかってるし……。
「さっきここに来る途中で蓮ちゃんに会ってね、二人で歩いてたの。
そしたら……そこを蛯原さんに見られて、あたしを蓮ちゃんの彼女だと誤解しちゃったみたいで……」
「はぁ?」
「ちゃんと否定したんだよ。
……何回も。
でも、信じてもらえなくて……」
それで、この状況か……。
また面倒くさいことに……。

