「蓮ちゃん……ほっぺた赤くない……?」 栞奈が蓮の顔を見ながらそう言った。 ……確かに。 さっきまで酒のせいで顔全体が赤かったから分からなかったけど……左頬だけ妙に赤くなっている。 「あぁ……これか……」 蓮は左手で赤くなった頬を擦った。 そして…… 「……殴られた」 ……驚くべき発言をした。 「誰にだよ……」 「……女」 女……? 「彼女……とか?」 栞奈が聞くと、蓮はゆっくり首を横に振った。