……その日の夜のことだった。
俺は家で夕飯を食べて、書類の整理をしている最中だった。
インターホンが部屋の中に鳴り響いた。
「はい」
モニターで誰が来たか確認する。
すると、見慣れた人影が見えた。
《大和ー……俺だよ、俺ー……》
「蓮……?」
モニター越しに見えるのは確かに蓮の姿。
だけど……明らかに様子がおかしかった。
ドアを開けると、一気にアルコールの匂いが漂ってきた。
「お前……酒臭っ……」
「もー無理……泊めて」
「はぁ?」
蓮は靴を脱いでズカズカと部屋の中に入っていく。
だけど、足取りはおぼつかなくて……。
「酔っ払い……」
面倒くさいのが来た……。

